出産、育児、仕事…さまざまな変化の中で、感謝の気持ちを抱きながらステップアップ!(横浜市で暮らす外国人トークリレー/第12回)

 何事にも前向きに、パワフルに活動しつづけるラノさんですが、来日当初はことばも分からず涙を流したことも。そんな彼女にパワーを与えてくれたのは、「えらいね」「よく日本に来てくれたね」「綺麗なお嫁さんで嬉しい!」…夫の両親からのたくさんの”感謝のことば”でした。そんなラノさんも「夫をはじめ、出会った全ての方に『ありがとう』を伝えたい」と、感謝のことばをつなぐ日々を過ごしています。

梶原ノラ さん
トルクメニスタン出身・日本に来て16年

『出産、育児、仕事…さまざまな変化の中で、感謝の気持ちがたくさん芽生えました。』

日本に来た理由を教えてください

 海外赴任でトルクメニスタンに来ていた日本人と職場で出会い、結婚のため日本に来ました。それまで海外経験が一度もなかったので、日本がどういう国なのか、他のアジアの国々とどう違うのかも分かっておらず、日本に行くまでドキドキが止まりませんでした。

 そんな私も日本に住んで16年。日本と他国をひとくくりにする友人がいたら、「違うよ!それは日本だよ!」とすぐに訂正を入れるほど日本にくわしくなっています(笑)。

どのように日本語を勉強してきましたか?

 来日後、ロシア語が話せる日本人の方にひらがなや漢字などを教えてもらいました。ほどなくして妊娠が分かり勉強を中断したのですが、日本語が分からないままの通院・出産はハラハラしました。お医者さんは英語で対応してくれましたが、専門用語は理解しにくかったです。
 5年後に第二子を同じ病院で出産したのですが、なんと、担当のお医者さんが第一子の時と同じでした。「ラノさん、日本語上手になったね!」そう言われて嬉しかったことを今でも覚えています。もちろん、先生との再会はもっと嬉しかったです。

日本語が上達した理由は?

 子どもが1歳になったころ、託児つきの日本語教室に週5日通いました。そこにはいろいろな国の人がいたので、共通のことばとして日本語を多く使うようになりました。また、回転寿司店のアルバイトでは、「ご存知ですか」「お召し上がりください」など、より丁寧な日本語を学びました。

 ただ、日本語が上達した理由はこれだけではありません。人と交流することが好きな私は、教室や職場内だけの交流にとどまらず、出会った人たちとランチに行くなど積極的にコミュニケーションをとりました。それにより交友関係が広がり、楽しみながら日本語を習得することができました。寿司店は1年で辞めましたが、今でも元同僚とのランチ会は続いています。「幾ら」と「イクラ」の違いが分からなかったのも、今では良い思い出。

今の仕事について教えてください

 介護の仕事を始めてもうすぐ2年になります。実は私、すぐイライラしてしまう性格だったのですが、今の仕事をきっかけに自分でも驚くほど優しくなりました。感謝される仕事だから、というのはもちろんですが、いろいろな病気を目の当たりにしたこと、何より接するお年寄りの皆さんが素敵なことに心を揺さぶられたのだと思います。大げさではなく、今の仕事をする前と後では、見える景色が全く違います。
 今後はより専門的に介護の仕事ができるよう、資格を取るための勉強を頑張っています。いつか母国の介護施設を訪問し、日本との違いを見つけてみたいと思っています。

感謝の気持ちを胸に楽しくステップアップ

 日本での生活につまずき泣いたことのある私も、今では友だちと楽しくおしゃべりをしたり、夫の両親に悩みを聞いてもらったりして楽しく生活しています。日本に来ていろんな変化がありましたが、そこでの出会いや経験全てが私を素敵な世界に連れてきてくれました。「ありがとう」の気持ちを忘れずに、よりアクティブに楽しみながら、いろいろなことにチャレンジしていきたいと思っています。

(掲載誌:情報冊子「にほんごコミュニケ―ション」2023年7月号)

関連記事