多文化共生×日本語×横浜 ~誰もが働きやすく、活躍できる横浜をめざして(情報冊子 2024年3月号掲載)

外国人と働くことは難しい?受入れ体制を整えるのは大変?外国人材受入れにおける課題に触れながら、「誰もが活躍する地域づくり」に大切なことを考えます。

横浜でもいろいろな場所で、働く外国の人と出会うようになりましたね。

★事前に押さえておきたいポイント

✓労働者人口の減少に伴い、外国人労働者の受入れを促進
日本では現在、少子高齢化が急速に進み、全人口に占める労働者人口は年々減少しています。企業における人手不足は深刻な問題で、これを解消するため、政府は外国人労働者を受け入れるためのさまざまな制度を整備しています。

✓神奈川県の外国人労働者は過去最高を更新
2023年10月末時点で、日本全体の外国人労働者数が、初めて200万人を突破しました。神奈川県においても過去最高を更新し、前年比で13%増加、約12万人となりました。
出典:厚生労働省/神奈川労働局

 日本における総人口および労働者人口の減少が見込まれる中、横浜市の企業にとっても「人材確保」は大きな課題であり、外国人労働者の受入れニーズは年々高まりつつあります。そのような中、外国人とのコミュニケーションや雇用手続き、受入れ体制整備への不安などから、雇用に踏み切れない企業も多いようです。
 また、2019年にYOKEで実施した「横浜市域における地域日本語教育の総合的推進に係る実態調査」によると、地域日本語教育の場などでも、外国人労働者への支援に課題を感じていることが分かりました(左図)。横浜市で働く外国人がいきいきと働き安心して暮らしていくためには、企業・地域双方の連携と支援の工夫が必要であると言えます。

横浜市で働く外国人とつながりを持つ皆さんは、どんなことに困っているのでしょうか?

外国人雇用企業など
・日本の雇用制度への理解不足から、トラブルがあった。
・日本語力アップのためのサポートが必要だが、事業所内だけでは難しい。行政からも支援があるといい。
・近い将来外国人雇用も考えたいが、教育・研修等費用面で不明なことが多く動きづらい。

地域日本語教室
・地元企業からの依頼で日本語を教えることも多いが、企業と教室が協力をしながらでないと、学習者の意欲継続は難しい。
・区外の近い位置に、外国人を雇用する中小企業が集まっている場所がある。区よりもう少し広いエリアで連携できたら。

*2019年度 実態調査 結果報告書より抜粋・要約

 横浜市国際交流協会(YOKE)では、実態調査での結果をもとに、市内の関係団体と協力しながら事業の方向性を模索してきました。2020年8月にはYOKE内に「よこはま日本語学習支援センター(YNC)」を開設し、業界団体などの協力を得ながら外国人の職場・地域での活躍と定着を目指す取組みを進めています。

YNCでは、外国人従業員向け/企業向けの、2つの講座を開催しているようです。くわしく見ていきましょう!

開催する外国人従業員向け/企業向けの2つの講座(オンライン)

双方が受講し、互いに意識を高めることを大切にしています。

 本事業では「働く」という側面から、外国人住民の地域での活躍・定着を図ってきました。その中で大切にしているのは「外国人社員と企業双方向のコミュニケーション」の向上です。そこから働きやすさ、さらには暮らしやすさにつながると考えています。日本語教室で出した社内インタビューのワークでは、学習者からは「他部署の方と初めて話せて良かった」、企業の方からは「会話を通して、普段どんなことを考えているのか分かるようになった」など、社内交流のきっかけをつくることができました。
 今後もさまざまな工夫を重ねながら、職場だけではなく地域においても交流が生まれるような仕掛けをつくっていきたいです。そのために、関係団体や企業の方々と協力しながら、外国人住民一人一人のライフステージ・ライフサイクルに寄り沿った支援を模索し、誰もが働きやすく暮らしやすい横浜になるよう取組みを進めていきます。

外国人の皆さんが、横浜をもっと好きになってくれるといいですね!

紹介した講座のくわしい情報 (2023年度開催分)

外国人従業員向け
「今すぐ使える!しごとの日本語教室」第1期 ➡ こちら

企業向け
外国人材の活躍・定着につながる
「外国人材雇用企業のための異文化間コミュニケーション講座」 ➡ こちら

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