連載②「相手も自分も大事にする」コミュニケーションのための心理学 ~第2回:勇気づけ(情報冊子 2021年11月号掲載)

 日本語ボランティアの皆さんが、学習者と向き合い、活動をする際に役立つ“心理学のエッセンス”を紹介する連載です。

第2回のテーマは、「勇気づけ」です。「すべての悩みは対人関係の悩みである」とするアドラー心理学において重視される技法で、国籍やルーツを問わずあらゆる対人関係のコミュニケーション場面で活かせます。

執筆/石井 未奈子さん

 2013年12月に発売されベストセラーになった『嫌われる勇気』は、哲学者と青年の対話形式で、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー(1870~1937)の思想(アドラー心理学)を解き明かした本でした。現在、アドラー心理学は、心理、教育、医療、福祉、子育て支援等、日常の幅広い領域で実践されています。別名「勇気づけの心理学」と呼ばれており、技法面での「勇気づけ」を重視します。
 アドラー心理学において「勇気づけ」は「(自分や他者に)困難を克服する活力を与えること」、「人生の課題を解決しうるという自信を持てるように援助すること」等を意味すると言われています。

 「私がさまざまな相談者とのカウンセリングの場で多用し、その効果を体感してきた技法が「勇気づけ」でした。以下に具体的な「勇気づけの方法」として、支援者の皆さんがそれぞれの支援の現場や家庭、職場、周囲の人との関係において、今日から実践できそうな「勇気づけ」のテクニックを紹介します。10のポイントと共に具体例も示してあります。
 ポイントを念頭に置きながら、それぞれのコミュニケーション場面にあった「勇気づけるメッセージ」を考え実践してみてください。

◆石井未奈子さんプロフィール◆
臨床心理士・公認心理師・横浜市学校 カウンセラー

前職はYOKE職員。「多様な人の人生を応援する心理職」を志し、様々な自治体の教育現場でカウンセラーとして勤務。来年でカウンセラー勤務10周年を迎える。

 次(最終回)のテーマは「セルフケア」です。

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