コロナ禍における活動の変化…国際交流ラウンジでの取組み紹介(情報冊子 2021年3月号掲載)

 新型コロナウィルスの感染拡大から約1年が経ち、新たな取組みに挑戦する地域の日本語教室も多いようです。市内10か所にある国際交流ラウンジ*でも、独自の工夫が行われていました。今回は、2つのラウンジの状況をご紹介します。

取組みを紹介していただいたのは…

◆なか国際交流ラウンジ
◆つづきMYプラザ(都筑多文化・青少年交流プラザ)

*国際交流ラウンジ
地域の国際交流・多文化共生の活動拠点。日本語学習支援に関しては、日本語教室の開催、学習者への教室情報の提供、研修会の実施、区内日本語教室間の連携促進などを行っています。(注:活動内容は国際交流ラウンジによって異なります)

ICT教材を活用したオンライン日本語教室なか国際交流ラウンジ

 新型コロナウィルスの感染拡大を背景に、2021年1月より、なか国際交流ラウンジ主催の日本語教室は、すべて対面からオンラインに切り替えました。この取組みが皆さまの参考となるよう、教室内部の様子を紹介します。

〈オンラインでの活動方法を模索〉
 オンラインでの教室活動は初めての試みで、活動に不安を感じるサポーターもいましたが、試験的に教室を開催したり、スタッフで意見交換会を行ったりしながら、オンラインでの形を模索しました。教室では、WEB上で提供された動画教材も活用しています。動画を観ながらの学習はとても効率が良く、学習者もより理解が深まるようです。

〈教室活動後は勉強会を実施〉
 教室が終わるたびに、サポーターによる勉強会を開催しています。成功事例はもちろん、上手くいかなかったことも共有し、より良い教室になるよう心掛けています。具体的には、通信トラブル時の対応方法や学習の進め方、教材情報の共有などです。このような振り返りを行うことにより、新しい教室活動にチャレンジできるような環境となっています。

〈オンライン活動での学習者の変化〉
 オンライン教室の開催により、子どものお迎えがある、仕事で時間がとれない、海外にいて日本に戻れないなど、これまでは参加が難しかった人も参加できるようになりました。時間や場所の制約が少なくなったのは、オンライン最大のメリットだと言えるでしょう。

〈オンライン教室の今後〉
 ウィズコロナの時代に突入し、より多様化した支援の形が必要とされています。今後も、区内外のサポーターどうしの情報共有を密にして、より良い日本語教室となるよう努力していきます。

オンラインによる日本語ボランティア研修会つづきMYプラザ

 「オンラインによる日本語学習支援」を新たに学ぶ取組みを通して、「人と人とのつながり直し」と「新たな教室活動の選択肢」を得ることができました。

〈活動継続のための、オンラインへの挑戦〉
 都筑区には7つの日本語教室があり、愛称「つづきMYプラザ」が主体となってボランティア連絡会(ボラ連)や合同研修会を行うなど、教室間のつながりを大事にしてきました。ところがコロナをきっかけに、対面で行う教室やボラ連も、継続が難しくなってしまいました。
 そこで、新たな活動の選択肢として、まずはオンラインシステムで人がつながること、さらにはオンラインによる日本語学習支援も視野にいれた講座を行いたいと、YOKEに相談しました。

〈合同研修会開催へ〉
 ボラ連のみなさんの講座企画の場にはYOKEも複数回参加し、ニーズ内容を検討しました。そして、2020年11月に日本語ボランティア合同研修会「オンラインでつながる!新たな日本語学習支援を考えよう!(全2回)」の開催にこぎつけました。
 内容は、ビデオ会議システムの参加方法に始まり、すでにオンラインでの支援を行っている都筑区内外の方の活動紹介など、段階を踏んだ実践的なものです。また、参加者同士での話し合いなど、交流の機会ともなりました。のべ参加者数は約60人でした。

〈自分たちでオンライン講座を主催〉
 「この合同研修会がきっかけで、化学反応が起きました」とは、MYプラザ林田館長のお話です。オンラインを活用する心理的・技術的なハードルが下がったことで、12月にはMYプラザとして、教室を超えてボランティア、学習者が集う「オンラインおしゃべり会」を開催。合同研修会での学びを活かして、自分たちだけで企画から開催までできたことに、大きな達成感を覚えました。
 この取組みを通じて、日本語教室同士の連携が継続でき、学習支援の新たな選択肢を得られただけでなく、都筑区のみなさんとYOKEとが、互いを身近に感じることができました。

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